<アルバム「守唄」のこと>

<アルバム「守唄」のこと>

2017年10月21日会津若松の古民家レストラン「独鈷」(どっこ)さんでのことでした。
その日松尾一彦さんのサポートピアニストとして演奏するのですが色々な経緯があり、
2曲ほど時間をいただいて私のピアノ演奏のみを聴いていただくことになりました。
会津の方々からのリクエストをいただき「荒城の月」を演奏しましたところ、大変お客様に喜んでいただき、なかには涙される方までいらっしゃいました。
この演奏のCDは?
との問い合わせまでいただくに至り、身に余る光栄を感じまた自分のピアノでそこまで感じていただいたことに喜びと若干の自信のようなものを頂きました。
かねてより2nd.ソロアルバムを創りたいと考えていたこともあり良いきっかけを頂き今回の「守唄」にたどり着きました。
私たち日本人の幼いころからの原風景を思い出し、これからも大切に伝えてゆきたいメロディーをと考えたとき童謡をはじめとする7曲が一気に思い浮かび、
それぞれの曲のメロディー本体を大切に伝えるというテーマで自分のピアノ演奏にまとめました。
聴いていただくそれぞれの方がぞれぞれの辛かった思い出、嬉しかった思い出、母親、父親などを思い浮かべていただけるよう優しく演奏することを心掛けました。
「守唄」というアルバムタイトルは私の勝手な造語です。大人の子守唄をお贈りするという意味で「子」
を取って「守唄」としました。
一人でも多くの方々に聴いていただけるよう願っています。

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1曲目 赤トンボ
シンプルなメロディーですが強力にそれぞれの思い出を呼び起こす曲ではないかと思い、このアルバムのコンセプトの代表曲としました。

2曲目 故郷
この曲もみなさんそれぞれに思い出が呼び起こされる曲かと思います。アルバム全体を通してメロディー本体部分はなるべく原曲に忠実に前奏、間奏は自由に演奏しています。
きっと前奏だけでは何の曲が始まるんだろうと感じられると思います。

3曲目 紅葉
もっともシンプルに仕上がった曲です。間奏、後奏では枯葉が舞う風景を思い浮かべました。

4曲目 守唱(Muriuta)
自分の曲を1曲入れさせていただきました。みなさんよくご存じの曲が続く中、箸休めといいますか、インターミッションの役割を持たせようとしました。
この曲は以前、CD「スピリット・オブ・ヒーリング〜沖縄」(Della Record)に提供した曲で、
沖縄民謡歌手「島 幸子」さんに詩をつけていただいたものです。そのタイトルが「守唱」
であり、沖縄読みではmoriutaではなくmuriutaになるとのことで、そのまま曲名にさせていただきました。
ですので決して誤植ではありません。

5曲目 蘇州夜曲
私が自分のアルバムに入れさせていただくのも申し訳ないくらいの名曲中の名曲です。長年サポート演奏をしている中で、この曲を多くのアーティストの後ろで伴奏してきました。
それぞれの解釈があり様々なアレンジで演奏しました。今回は自分のアルバムなので自分がイメージするアレンジでまとめてみました。

6曲目 月の沙漠
8曲の選曲中一番最後に選んだ曲です。童謡だったらこの曲も聴きたいとのアドバイスをいただき、迷わず入れさせていただきました。アレンジは一番工夫したように思います。

7曲目 朧月夜
制作に多大な協力をしてくれた仲間が「これが一番竹田らしい仕上がりだ」と言ってくれました。曲全体を通してシンプルとはいえアレンジ上、一番冒険をしてるかなと思います。

8曲目 荒城の月
今回のアルバム制作のきっかけを頂いた、これも世界に誇る名曲です。冒頭に書きました会津でのライブでは他の方のアレンジを参考にさせていただいたものを演奏しましたが、
このアルバムではそれをもとに自分のアイデアを盛り込み、入れ替えてこの形に仕上げました。
曲中アルバムの中では一番タッチを強くした部分があります。

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一人でも多くの方々に聴いていただけますように。

2018年1月24日
竹田 元

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